大規模修繕コンサルタント
大規模修繕工事を進めるには、膨大な時間と専門的知識が必要な為、管理組合のパートナーとして外部専門家の協力を受けることが一般的です。
一番身近なパートナーとして『管理会社』や『設計事務所』等を起用するマンションが多いのですが、管理会社はそのマンションの財務状況を熟知しており、自社の利益を確保した予算ありきの割高な工事になる恐れがあります。
更に、下請け業者は特定の協力会社に偏りがちで、そこにはコストダウンの力は働きませんし、工事は丸投げで施工管理や品質管理も形だけでチェック機能も働きません。
一方、設計事務所も工事業者との談合体質が依然として存在し、裏で工事業者へリベートやバックマージンを要求し結果的に割高な工事費になるといったことがあり、管理組合の目線からのコンサルタントには程遠いものがあります。
又、設計事務所等は管理組合の運営には慣れていないため、組合運営のソフト面でのサポートは期待できません。
そこで、管理組合が主体となって大規模修繕工事を進めてみましょう。当事務所がそのような頑張っている管理組合の理事会や修繕委員会を応援しています。
1.専門委員会の結成
理事会の諮問機関(下部組織)として『修繕委員会』を結成します。
修繕委員会の選出が難しいマンションでは理事会で進めます。
2.外部専門家の選定と工事発注方法の決定
コンサルタントを起用するか?(設計事務所、マンション管理士等)
- 管理会社一任方式
- 現行の管理会社に全て任せます。
- 責任施工方式
- 工事会社に調査から施工・検査まで任せます。
- 設計監理分離方式
- 施工業者の選定から完工までの工事監理を専門家(設計事務所・マンション管理士等)に任せます。
3.建物診断
専門家に建物の劣化診断を依頼し、建物の傷み具合を調べます。
工事業者が無料で行なう場合は、ひも付きとなり返って割高となります。
4.修繕箇所等の具体的計画
予算や緊急度等を勘案した上で、修繕する部分としない部分を明確にします。
5.施工業者の選定
公募等を行なって複数の業者から共通の条件で見積りを取ります。
金額や会社の規模・実績・アフター保証といった要素を総合的に判断します。
6.工事開始から完工・アフター保証
大規模修繕工事は『住みながら』行なわれる為、非常に難しい工事と言われています。騒音や匂い、足場による日照や通風の制限や不審者侵入の懸念、電気・ガス・水道の使用制限等、居住者に我慢を強いることになりますので、『工事説明会の開催』や『住民アンケート』、『工事情報の広報』等々、事前にきめ細かな対応が必要です。
工事が完了する前に『施主検査』を実施します。足場等をはずす前に工事会社又は工事監理者にて検査を実施させて報告を受け、修繕委員会(又は理事会)にて実際に検査を行ないます。
アフター保証を誠実に行なうことも業者選定の重要なポイントです。